令和6年(24年)春ネットワークスペシャリスト試験受験記

ネットワークスペシャリスト

はじめに

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令和6年(2024年)春期のネットワークスペシャリスト試験を受験してきました。本記事では、実務でネットワークをがっつり触った経験がない筆者が、どのような戦略で試験に臨んだのか、また3週間という限られた期間でどこまで対策できるのかを、具体的な勉強時間や使用教材とともに詳しく解説します。

ネットワークスペシャリスト試験は、IPA高度試験の中でも実務経験が問われる試験として知られています。しかし、適切な戦略と効率的な学習方法を組み合わせることで、ネットワーク実務経験が少ない方でも合格を目指すことは十分可能です。この記事が、これから受験を検討されている方や、勉強方法に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

受験前の知識レベルと保有資格

まず、筆者のバックグラウンドを正直にお伝えします。これにより、読者の皆様が自分の状況と比較しやすくなるかと思います。

実務経験と技術領域

ITエンジニア歴は約6年のアラサーです。実務では主にアプリケーション開発やバックエンドサーバの開発、そしてプロジェクトマネジメント業務を担当してきました。ネットワーク機器の設定やネットワーク設計を実際に行った経験はほとんどありません。つまり、ネットワーク分野においては「実務経験が少ない受験者」という立ち位置です。

このような状況だからこそ、試験対策では知識の体系的な理解と、過去問演習による出題パターンの把握が重要になると考えました。

保有資格の状況

ネットワークスペシャリスト受験時点で保有していた主な資格は以下の通りです:

  • 応用情報技術者試験(AP)
  • IPA高度試験7区分(データベーススペシャリスト、プロジェクトマネージャ、システムアーキテクト、ITストラテジスト、システム監査技術者、ITサービスマネージャ、情報処理安全確保支援士)
  • AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(SAA)

これまでのIPA試験はすべて一発合格でした。直近では2023年秋期にデータベーススペシャリストを取得していたため、午前Ⅰ試験は2年間免除の対象でした。この免除制度は、勉強時間を午前Ⅱと午後試験に集中できるため、非常に大きなアドバンテージとなります。

受験を決意した動機と目標設定

IPA高度試験八冠達成への思い

ネットワークスペシャリストはIPA高度試験8区分の中で唯一取得していなかった資格でした。残り一つという状況だったため、「ここまで来たら全部取得したい」という気持ちが強くありました。資格コレクターと言われるかもしれませんが、体系的に知識を習得する上で、IPA試験は非常に良い目標設定になります。

藤井聡太さんとの密かな競争

実は密かな目標として、将棋の藤井聡太さんの全冠制覇よりも早くIPAの八冠を達成したいと思っていました。しかし、藤井さんの驚異的なスピードには完全に敗北しました。それでも、自分なりの「八冠」を目指すというモチベーションは、勉強を続ける原動力になりました。

このように、資格取得には明確な動機付けが重要です。単に「何となく」ではなく、「なぜこの資格が必要なのか」「取得後にどうなりたいのか」を明確にすることで、苦しい勉強期間も乗り越えやすくなります。

3週間の勉強計画と実践内容

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勉強期間の設定理由

午前Ⅰ免除のため、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの3つに絞って対策しました。勉強開始は受験日の3週間前です。

過去のIPA高度試験受験経験から、集中して3週間勉強すれば基本的な知識習得と過去問演習ができると判断しました。もちろん、もっと早くから始める方が理想的ですが、筆者の場合は直前にならないとエンジンがかからないタイプなので、あえて3週間に設定しました。

1日あたりの勉強時間

平日は仕事があるため、朝の通勤時間と夜の時間を合わせて約2時間を確保しました。休日は5~8時間程度、集中して勉強に充てました。3週間での総勉強時間は約70~80時間程度と推定されます。

振り返ってみると、特に午後問題の演習量が不足していたと感じました。可能であれば、あと1週間早く始めて過去問をもう1~2年分追加できれば、より安心して試験に臨めたと思います。

使用した教材と具体的な勉強方法

ステップ1:参考書で体系的な知識を構築(1週間)

IPA試験対策では、まず信頼できる参考書を1冊選んで通読することを基本方針にしています。複数の参考書を買うよりも、1冊を完璧にマスターする方が効率的です。

今回は、知人から借りた「ネットワークスペシャリスト試験対策書」(令和5年度版)を使用しました。1日1~2章のペースで読み進め、章末問題も必ず解きながら、約1週間で全体を一通り終えました。

参考書を読む際のポイントは以下の通りです:

  • 単に読むだけでなく、重要な用語や概念はノートに書き出す
  • 図解が豊富な参考書を選ぶことで、視覚的に理解しやすくする
  • 章末問題は必ず解き、理解度を確認する
  • 理解できなかった部分は付箋を貼り、後で復習する

ステップ2:午前Ⅱ対策は過去問道場を徹底活用(2週間)

午前Ⅱ試験対策では、「ネットワークスペシャリスト試験過去問道場」を活用しました。このサイトはIPA試験受験者の間では定番中の定番です。

令和5年度から平成21年度まで、約14年分の過去問を3周しました。1周目は正答率6割程度でしたが、2周目で8割、3周目では9割以上を安定して取れるようになりました。

過去問道場を使う際の効率的な方法:

  • 間違えた問題には「★マーク」を付けて、後で重点的に復習
  • 単に答えを覚えるのではなく、なぜその選択肢が正解なのかを理解する
  • 同じ概念が異なる問い方で出題されることを意識する
  • スマホでも利用できるため、通勤時間などのスキマ時間を活用

午前Ⅱ試験は過去問の類似問題や同一問題が頻出するため、過去問道場を3周すれば合格ラインの60点は確実に超えられます。実際、本番でも約半数は見覚えのある問題でした。

ステップ3:午後試験の過去問演習(1週間)

午後試験対策として、過去2年分の問題を実際に解きました。午後Ⅰは3題×2年=6題、午後Ⅱは2題×2年=4題で、合計10題です。

本音を言えば、最低でも3年分、理想的には5年分は解きたかったのですが、時間の制約で2年分が限界でした。この点は反省点です。

午後問題を解く際に意識したポイント:

  • 本番と同じ時間配分で解く(午後Ⅰ:90分、午後Ⅱ:120分)
  • 解答後、公式の解答例と照らし合わせて採点
  • なぜその答えになるのか、問題文のどこから導き出せるのかを確認
  • 自分の弱点分野(例:ルーティング、VPN設定など)を把握
  • 解答のコツやパターンを意識する

ステップ4:直前対策で要点を総まとめ(2~3日前)

試験2~3日前、午後試験に対する不安が強くなってきたため、効率的に要点をおさらいできる教材を探しました。そこで見つけたのが以下の2つのリソースです。

「【直前対策】ネスペ午後過去問の要点まとめ」の活用

X(旧Twitter)で見かけたこのサイトは、過去問の要点を簡潔にまとめてくれています。ネットワークスペシャリスト試験では、午後問題でも過去に正答率が低かった問題が形を変えて再出題されることがあります。

このサイトで「頻出だが正答率が低い問題」を重点的に復習しました。わからない用語や概念が出てきたら、その場でGoogle検索して理解を深めるという方法で進めました。短時間で多くの頻出パターンを網羅できる点が非常に有用でした。

「まさるの勉強部屋」のYouTube動画で視覚的理解

参考書を読んでいても、文章だけではネットワークの構成や動作をイメージしにくいことがあります。そこで活用したのが「まさるの勉強部屋」さんのYouTube動画です。

午前・午後試験に頻出する重要概念が、1つずつ動画でわかりやすく解説されています。視覚的に理解できるため、参考書を読むよりも記憶に残りやすかったです。1.5~2倍速で視聴することで、効率的に2周することができました。

動画学習の利点:

  • ネットワーク構成図が動きながら説明されるため、理解しやすい
  • 音声での説明があるため、視覚と聴覚の両方で記憶に定着
  • 倍速再生で時間効率を上げられる
  • 通勤中や移動中でも学習できる

試験当日の手応えと振り返り

午前Ⅱ試験:過去問道場の効果を実感

午前Ⅱ試験は、過去問道場でしっかり対策していたため、自信を持って臨めました。実際に問題を見ると、約半数は過去問道場で見たことのある問題、または類似問題でした。

確信を持って答えられた問題が大半で、合格基準の60点は確実に超えていると感じました。見直し時間も十分に取れたため、午前Ⅱについては心配ありませんでした。

午後Ⅰ試験:問題選択の難しさと不安

午後Ⅰ試験が最大の難関でした。問題は3題出題され、そこから2題を選択して解答します。

問題を一通り見たところ、問1は過去問で類似のテーマを演習していたため自信がありましたが、問2と問3はどちらも難易度が高く、どちらを選ぶべきか判断に迷いました。

最終的に、穴埋め問題の形式や自分の得意分野を考慮して問1と問2を選択しました。問1は順調に解けましたが、問2は終始自信が持てない状態でした。途中で「問3を選んだ方が良かったかもしれない」と後悔する場面もありましたが、時間の関係で変更することはできませんでした。

この経験から学んだ教訓:

  • 問題選択は最初の10分で慎重に行うべき
  • 各問題の最初の数問を試し読みして、自分の理解度を確認する
  • 過去問演習をもっと増やして、幅広い出題パターンに対応できるようにする

午後Ⅱ試験:DNSがテーマで救われた

午後Ⅱ試験では、問1と問2の2題から1題を選択します。問題を確認したところ、問2がDNS(ドメインネームシステム)に関する問題でした。

DNSは「まさるの勉強部屋」の動画で重点的に復習していた分野だったため、かなり解きやすく感じました。問題文を読み進めながら、「これは6割以上は取れる」という手応えがありました。

DNSに関する知識がしっかり定着していたことが、午後Ⅱ試験の救いとなりました。直前の動画学習が大いに役立った瞬間でした。

受験を終えての総括と反省点

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自己採点はしない主義

筆者は試験後に解答速報を見たり、自己採点したりはしない主義です。自己採点で一喜一憂するよりも、結果発表まで気持ちを切り替えて次の目標に向かう方が精神的に健全だと考えています。

結果発表は7月4日だったため、それまでは結果を待つことにしました。

勉強方針のまとめと今後受験する方へのアドバイス

今回の受験を通じて、効果的だった勉強方針をまとめます:

午前Ⅱ試験対策

  • 過去問道場で過去10年分以上を3周すれば十分
  • 正答率9割を目標に繰り返し演習
  • 理解が浅い分野は参考書に戻って確認

午後Ⅰ・Ⅱ試験対策

  • 過去問演習は最低3年分、できれば5年分以上が望ましい
  • 頻出テーマ(DNS、VPN、ルーティング、ファイアウォール設定など)は細部まで理解する
  • 問題文から解答の根拠を見つける訓練を重ねる
  • 時間配分を意識した演習を行う
  • 動画教材を活用して視覚的に理解を深める

もっとこうすれば良かったと思う点

振り返ってみて、改善すべきだった点は以下の通りです:

  • 勉強開始時期:3週間ではなく4~5週間前から始めるべきだった
  • 午後問題演習量:2年分ではなく最低3年分、理想は5年分解くべきだった
  • 弱点分野の特定:もっと早い段階で自分の苦手分野を把握し、重点的に対策すべきだった
  • 模擬試験:本番と同じ時間配分で通しの模擬試験をもっと行うべきだった

ネットワーク実務経験が少ない方へのエール

ネットワークスペシャリスト試験は、実務経験がなくても合格可能な試験です。筆者自身、ネットワーク機器の設定や運用の実務経験はほとんどありませんでしたが、体系的な学習と過去問演習によって十分に対応できました。

重要なのは以下の3点です:

  • 基礎知識の体系的な理解:参考書を通じてネットワークの基本原理を理解する
  • 過去問演習の徹底:出題パターンと解答のコツを身につける
  • 視覚的な理解:動画教材や図解を活用して、文字だけでなく図や動きで理解する

実務経験がないことは確かにハンデですが、それを補う勉強方法は確立されています。諦めずに計画的に学習を進めれば、必ず合格に近づけます。

まとめ

  • ネットワーク実務経験が少なくても、3週間の集中学習で試験に臨むことは可能
  • 午前Ⅱ対策は過去問道場を3周することで9割以上の正答率を目指せる
  • 午後試験対策では最低3年分以上の過去問演習が望ましい
  • 参考書での体系的学習と過去問演習の両輪が合格への近道
  • 直前対策では「ネスペ午後過去問の要点まとめ」や「まさるの勉強部屋」などの無料教材が非常に有効
  • 動画教材を活用することで視覚的理解が深まり、記憶に定着しやすくなる
  • 午後Ⅰの問題選択は慎重に行い、自分の得意分野と過去問演習の経験を活かす
  • 理想的には4~5週間前から勉強を開始し、午後問題は5年分以上解くのが安心
  • 明確な動機付けが勉強を継続する原動力になる
  • 実務経験がなくても、正しい勉強方法で合格は十分に可能

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